………

ちっちゃなちっちゃな一人旅の帰り道、
窓の外に暗闇しか見えない新幹線の中で読む深夜特急。

ミッドナイトエクスプレス＝トルコの刑務所での「脱獄」を意味することば。



この旅行は楽しかった、本当に楽しかった、
だけど何故か同時に思うこと。

何処まで行ったって人は自分からは絶対に逃れられないんだ。




二巻めにて
旅に出たかったのは
人生における執行猶予の時間が欲しかったのかもしれない、とあり
ああ私もきっとそうなんだと。
ギリシャの白亜やサハラの星空に憧れるのとはまた別の、
私の旅への漠然とした憧れはきっと逃避願望と強くなりたいという願いから出来ている。

一人旅すごいね、なんて言葉を貰いました。
でも実は全然すごくないよ。



私の居場所はここではないといつも何処かにある思い。
なら私は何処へ行くんだ。
就職という言葉に人生の終わりのような恐怖を感じるのは何故だ。
甘える人間になりたくない。
なのにどうしてこんなに怖いんだろう。

孤独よりも埋没の方がずっとずっとずっと恐ろしい。



…とりあえず、私は
世界の前で物欲しげに座ってるんじゃなくて
自分から世界の中に入っていけるようにならなくちゃ駄目だ。
前からずっと思ってるはずなのに
なんでいつまでたっても出来ないんだろう？
少しずつ、は、出来るようになってきているのかな？




…最後に
それでも広島と宮島はすごくすごく良いところでした。
帰り道だからこんなこと考えちゃってるのであって
実際向こうにいる間は下らないこと考えてる暇なんかなかった。

また、きっと行こう。