忍者ブログ
I want to... Dream as if I'll live forever. Live as if I'll die today.
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

 
詩創作論の課題第一回目のもの。
「夏」をテーマに書いてこいとのことで、こんな感じになりました。
こちらの詩の方は多くは語りません。うん。蛇足になる。

それでは、追記からどうぞ。
 
PR
 
詩創作論の課題、第二回目。ついでなので一緒にアップ。
北村太郎さんの「悪の花」中に
「ブナやケヤキも落葉が早い
 ウツギの類にはかわいそうな夏だった
 キョウチクトウにも」
という一節があるんですが
「秋の雲の劇」「巻雲」「積雲」という言葉も出てくるのですが

先生はおもむろにおっしゃいました

「うん、木の名前か雲の名前を作中に入れて、詩書いてきてね☆」

注:しかもなぜか私のメモには「木の名前と雲の名前」と書かれていた 泣いた


元原稿を提出してしまって今手元にないので、実際の原稿とちょっと違う部分があるかもしれま…せん…
原稿帰ってきてから直します^q^

それではでは、追記からどうぞー。

 
眉を上げながら
「おもしろいね」と言った
僕の隣であの子は
「うん、おもしろい」と言った

少し顔をしかめて
「よくわからないや」と言ったら
あの子も小さな声で
「あー、確かに」と言ってから
知らない言葉を呟くように
「よくわからない」と繰り返した

「でも、きれいだね」と笑った
あの子も綺麗な笑顔で
「うん、きれい」と言った

「なんだこれ」と顔をしかめた
「ほんと、なんなんだろう」とあの子は言った

僕の言葉は腹をたて
「何が面白いんだろうな。全然わからない。なんというか、ちょっと、気持ち悪いし」
見ていたものから目をそらし
隣のあの子を見つめたら
あの子は前を見たままで
「ね、何が面白いんだろうね。気持ち悪いよね」
綺麗な笑顔を浮かべたままの
僕はあの子をじっと見つめた

「ねえ、」
「ん?」

綺麗に笑うあの子の手を
握る気にもなれないで
とつとつ一緒に外に出た
鋭い北風吹きつけて
二人一緒に「寒いっ」と言った

首をすくめて笑うあの子を
ちょっと哀しく眺めながら
僕はあの子の手を取った

「暖かいお茶、飲みに行こうか」
「うん、行こう行こう」
「どこがいい?」
「どこでもいいよ」
「……じゃあ、あのお店にしよう」
「うん、いいね」
「好きなの、頼んでいいから」
「え? うん。そうだなぁ、なににしようかなあ」


柔らかな手をそっと握った
握り返された、ような気がした、
気のせいだったかもしれない



(君はどうやって生きてきたの)
 

 


1.

トンネルの前に立っているようなもので
漆黒の虚無の前で立ち尽くしているようなもので
かつては満開の薔薇の屋根
秘密の花園
賑やかな鳥の歌声に寄り添って
優しい風が踊っていた、
ことも
あったのですが
それともあれは砂漠のバザール
天幕の織り成す人の群れ
香辛料の告白だったでしょうか
もしかしたら
青い青い空の中
雲の身体奥深くへと繋がる道だったかもしれません
イルカの呟きか寝言の夢と

トンネルの前に立っているようなもので
それはいつもいつも
一瞬だけ私の全てを通過して満たして
跡も残さずに立ち去り
気まぐれな西風 渡蝶の羽休め
後にはがらんどうの真っ暗々
呼ぶ声は
幾重にもぶつかり合いながら
はっくりはっくり呑み込まれ
暗闇の視線、
逃れられない兎、

(ハックルベリー! ハックルベリー! お願いだから帰ってきてよ!)

一言だけ呻きたいのは
私の後ろの賑やかな世界よりも
ふとトンネルを来る一瞬の幻に
より鮮やかな より強烈な よりより より 愛しさを増して
酸素と実体が伴っていなければ
伴ってさえいなければ
それすらも、それなのに、

(さあご一緒に 光り輝く少女漫画を開きましょう)

「貴方がいなければ生きていけない!!」

 

2.

酒を煽るように
煙草を吸うように
同年齢の人々と賑やかにお喋りしながら夜更かしするように
自己紹介をするように
はじめましてはじめまして?
多くの趣味の異なる友人を持ち彼らの名前を全てはっきりと覚えているように
布団に身を投げ出すように
暖かな人の胸に抱かれているように
真っ白な塗り絵に12色のクレヨンではみ出しすぎた色を置くように
忘れてしまったものを慌てて付け足すように
見捨てられたがらくたを拾いあげて埃を払い綺麗に飾り付けるように
社会に笑われそうな頼りない光の蝶を守るように
空の空に星を灯すように
震えるランプに細い火を灯すように
こんぐらがってしまった毛糸玉をほどくように
友人に話すことのためらわれる人生についての悩みを聞いてくれる誰か立派な大人を訪ねるように
夜の電車の窓のように
瞬きをするように
言い損ねた悪口を今度こそ言い直すように
言い損ねた想いを改めて告げるように
自分語りをするように
気になるあの子に話しかけるように
泣き叫ぶように
手首を切るように
私を見てと叫ぶように
見失いかけている感情の昂ぶりをぶちまけるように
さよなら、
言い損ねた言葉をもう一度
もう一度告げるように
誰か(それは名前と実体をもつ誰かかもしれないし星空に帰ってしまった王子様かもしれない)の
服の袖を
引っ張るように

臆病者は夢をみている



(眠れないよ ねむれないよぉお)


喉から吐き出す細い針を
ふりまわし
はりめぐらせ、
泣いている子供の目を
手のひらでそっとふさいで
二の腕を 
小さな耳たぶにぺたりと寄せ
抱きしめて
彼は、
飛んだ焦点と
硬直した鼓膜で
静かに
本当に静かに
よのなかの
苦いものを処理し
のみくだし。

(大丈夫だよ泣かないよ
 目の前で血を噴き出してこときれる人の目を見ても
 知らないことばで絶叫している女の人見ても
 ああ服が引き裂かれて圧し掛かられて悲鳴悲鳴、
 のみこみます、ここで、
 まっしろな客席とスクリーン、
 お母さんに殺された子供の名前 知らない街を一瞬だけ、
 見えない 見えない きこえない
 町中の日本中の世界中の家で教室で道で建物の中 身体のとなり
 苦い言葉やら 血やら 暴力やら、も
 嘔吐される悪口 呻き 罵り 鳴き声 恨み辛み
 舌打ち、
 誰も聴いてないよ 大丈夫ちゃんと忘れる 覚えないよ誰も。)

すてきなものが見えた時だけ
手をはなしてあげる


死にたくない



(すみませんが手を伸ばせないので あなたの顔も 声も わかりません。)

(私は何を言ってましたっけ)

  
1  2  3  4  5  6  7 
忍者ブログ [PR]