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I want to... Dream as if I'll live forever. Live as if I'll die today.
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外気温3度って、いま何月ですかちょっとちょっと。
いや、確かに12月ですけども、1月か2月の気温でしょうこれは…!
ストーブ付けてるのに部屋が全然あったかくならないってひどいでしょう…!(涙)


早くも来年の夏が恋しいです、風野です。
本日も文フリで出会った本の感想をば。

歴史創作サークル「史文庫」、唐橋史さんの歴史小説『総督と画家』。
17世紀のネーデルラントを舞台にした、芸術と青春のおはなし。




実は、ちゃんと読んだ歴史小説って、これが初めてかもしれません。
小説どころか、時代劇や大河ドラマも今までほとんど見てこなかったので……。
触れたことのないジャンルということもあり、今までちょっと気おくれしていたのですが、
唐橋さんのTwitterでの呟きを読んでいるうちにじわじわと興味が湧いて……
そして、目にした装丁がとても綺麗だったことや、
Twitterで抜粋されていた本文――クラースがルーベンスの絵を見つけるところだったと思います――で、瞬間の興奮がとてもシンプルに力強く書かれていたことが気になって、
当日、そわそわと伺わせていただきました。
店番の合間にふとTwitterを開いたら「完売間近!」って告知がされていて、
大慌てで会場をダッシュしたのは別の話です……笑。

大学の受験科目に世界史選択してて良かったなあ。
大航海時代から先、ちょうどこの物語の舞台になっている年代が好きだったので、
物語に散りばめられている、時代背景を映した道具や言葉に、
ある種の懐かしさを覚えながら読み進めていきました。
ヴァン・ダイクとか、バタヴィアとか。
でも、きっと、もっと深い知識があった方がもっと楽しいんだろうな、ああ…。
凄く細かく考察されていることをひしひしと感じながらも、
自分の知識が浅いために、意味を込めて置かれたものたちの歴史を読み取れないことが少し切なくなったりもしてしまったり。

そして本編。
歴史小説、というと、時代に実際に名を残した人の物語か、もしくはそんな人の周囲の物語……なんてイメージをすぐ思い浮かべてしまうのですが(恥ずかしい…)、この物語はどちらでもありませんでした。
歴史に名の残らない、いわゆる普通の人びとの、それでもしっかりと存在する多層な人間関係と、物語を貫いて積み重ねられてきた「画家であること」への問いが、重なり合って爆発するクライマックス。すごくかっこよかった。
時代と社会が要求する振る舞いや生き方を受け入れられず、葛藤する――だけなら、
なんだか何処かで読んだような印象だけで終わってしまっていたと思います。
(実際、作中半ばまでは、本編のうねりに引き込まれつつも、
 彼女の葛藤には、共感はしても、そこまで心を揺さぶられていなかったのです)
でも、最後のクライマックスは、それら全てを受け入れたうえで、
自身の生き方を爆発させているんですから、そりゃ、もう、かっこいいですよ。やばいです。
というか絵的にも美しすぎる。
あんまり書いたらネタバレになっちゃうので書きたくない…のですが…っうおお…
燃えました。とても。ほんとに。
時代と人々、展開や構成をしっかりと積み重ねた、
建築物のように強固でかっこいい物語は、私にはなかなか書けない。


クライマックスで主人公クラースに一気に惚れちゃったんですが、
でも、やっぱり、なにより、総督さんがすごくかっこいいです。笑
ええと、こちらは元々別作品のスピンオフだそうで、
そちらでは悪役ということになっているそうなんですが……。
彼の話をもう少し読んでみたくて、そちらの本も買っちゃおうかなぁとそわそわしています。
続きが楽しみです。
 
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